今回は口や目の乾燥について。
こういう状態を「シェーグレン症候群」といいます。
これは自己免疫疾患のひとつです。
「シェーグレン症候群」とは、目や口、膣などの粘膜から分泌される
分泌腺(涙、唾液など)が慢性的な免疫的過敏によって炎症が続いて
しまう病気です。難治性疾患のひとつです。
病院での治療はステロイド剤による対処療法が一般的になります。
漢方薬では、この病気は胃腸系に問題があり、胃腸系の粘膜に
トラブルがある状態(これを専門的には脾陰虚といいます)と考えて
胃腸、特に腸を丈夫にする漢方薬を使います。
おそらくはこういった自己免疫疾患も腸内細菌のバランスと関係している
という考えもありますから、腸を丈夫にしていくのは根本的な治療のひとつ
と言えます。
相談を受けていますと、3か月ぐらいから効果が現れ、半年ぐらいで
体のだるさやほてり感、粘膜の渇きがよくなっていくようです。
漢方薬では参苓白朮散や健脾散がメインの処方になり、加味平胃散は
補助的に使っていきます。
炎症がひどいときは虚熱を取る知柏地黄丸を使います。
上手くいけば1年ぐらいでかなり元気になられています。
この自己免疫疾患の患者さんは特に、乳製品、小麦を使ったもの、砂糖、
トマトは厳禁で、これらを取ると病状が悪化する方が多いです。
食生活も大事な養生となります。
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